大友愛はバレー部の娘に伝えた。「比べられるのが嫌だったらやめていい」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

ロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレー日本代表 photo by Ishijima Michiロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレー日本代表 photo by Ishijima Michiこの記事に関連する写真を見る――"ママさんアスリート"としての挑戦を、あらためて振り返っていかがですか?

「私は、自分のために頑張ることと、子どものために頑張ることは、まったく違うベクトルであることを感じました。練習などでも、常に子どもと一緒にいられることは親としてはすごく幸せではありますが、やはり子どものことを優先してしまうので、高いパフォーマンスを保つことが難しくなることもあると。練習後に『体のケアをしたいな』と思っても、練習の場に子どもがいれば、いち早く子どものところに行きたくなりますし。決して『邪魔』と思っているわけではなく、切り替えが難しくなる、というのが私の感覚でした。

 もちろん、一緒にいられることが力になる選手もいると思います。それぞれにとって競技に集中するためのベストな形があると思うので、それが可能になるような選択肢が増えるといいなと思いますし、より周囲の理解が進むといいですよね。プレーを諦めなくてもいい環境が整っていけば、妊娠・出産で一度プレーから離れても、トップレベルに戻れるアスリートが多くなるでしょう」

――現在はお子さん中心の生活ですか?

「今はもう、自分のことはどうでもいいです(笑)。自分の子どもたちもそうですが、バレー関係の仕事を通じて、夢を抱いて頑張っている子たちを後押ししていきたいです。関わったすべての子どもたちがバレーボール選手になるわけではないですが、競技の楽しさ、人と人とのつながりといったことを伝えていけたら嬉しいです」

――大友さんには4人のお子さんがいますが、このスポーツをしてもらいたい、といった思いはありますか?

「自分がやりたい競技でいいので、何かのスポーツはやってほしいと思っています。苦しい経験をすることもあるけど、そこで達成感や仲間の大切さなどが学べると思うので。私も、バレーを通してさまざまなことを経験できましたから、子どもたちもいろいろな刺激を受けてほしい。その経験を通して、いろんな人に気を遣える人になってほしいし、逆に困った時に手を差し伸べてもらえるような人に育ってほしいです」

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