高橋みゆきが語る北京五輪とその後。今の目標は「持たなくていい」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

――コロナ禍でご自身の活動にも影響があったんじゃないですか?

「すごくありますね。バレーボール教室をしたくても、なかなかできない状況ですし。ただ、私よりも現役の選手のほうが絶対に大変なはず。特に、オリンピックが延期された時の気持ちは想像を絶します。『ここが目標!』とやってきたところで、『1年延期です』と言われたショックは本当に大きいと思います。代表の選手だけじゃなくて、さまざまな大会が中止になった学生のみなさんも歯がゆい思いをしていたでしょう」

――東京五輪の開催はまだ不透明ですが、現役の選手たちに声をかけるとしたら?

「難しいですね......。私はそういった状況を経験したことがないですし、簡単に励ましの言葉をかけるわけにもいきません。バレーボールは団体競技ですし、なおさら厳しい環境にあると思います。だけど、そんな苦しい中でも目指すところがあるはず。やはり『頑張って』としか言えないかな、とも思います」

――今後の、高橋さん自身の目標を聞かせてください。

「それは、北京五輪のあとによく聞かれるんですが、今は『もう何も持たなくていい』と考えています。自分より子供のこと。子供がちゃんと育ってくれたらよくて、あわよくば超一流のアスリートになってくれたら嬉しいです(笑)。コロナ禍が落ち着いてきたら、バレーボール教室をやるのもいいですね。小さい子供たちに、『バレーボールはこんなに楽しいんだよ』と伝えられたらと思います」

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