新鍋理沙が明かした引退までの苦悩。そして今後と昔の夢「結婚」について (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 引退を発表する前に行なわれた自身のインスタライブでは、視聴者から「20歳の頃の夢はなんでしたか?」と聞かれ、「お嫁さんでした」と答える場面も。その夢の行方に関しては、「本当は25歳ぐらいまでには(結婚を)したかったんですけど......いつかは叶えたいです」と笑顔で話した。

 選手を離れたあとのキャリアについては、どんな目標があるのか。

「(新型コロナウイルスの影響で)今は一緒にやることは難しいですが、未経験の子供たちが気軽にバレーを始めてくれるような、『楽しい』と思ってもらえることをしていきたいです」

 指導者を目指すのかと思いきや、「それは向いていないので(笑)」と否定する。9月26日には、久光と埼玉上尾メディックスのプレシーズンマッチで解説を務めたが、具体的なビジョンを描くのはもう少し先になりそうだ。

 長いインタビューに答えてきた新鍋は、最後にファンに向けてこうメッセージを送った。

「久光でも全日本でも、勝っても負けても、たくさんの方が大きい声で応援してくださいました。毎試合のように会場に足を運んでくださる方もいらっしゃいましたし、すごくうれしかったです。あらためてそういう方たちに、『ありがとうございました』と伝えたいです」

 派手なスパイクはなくても、勝負どころでの得点、何より抜群の安定感を誇った守備は日本代表や久光に欠かせなかった。今シーズンのVリーグのコートで新鍋の姿が見られないのは寂しい。しかし、その選手人生に惜しみない拍手を贈り、この先にどんな道を歩んでいくのか見守っていきたい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る