「やられた感じはなかった」坂口佳穂がトップペア相手に確かな手応え (3ページ目)

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • 松永和章●撮影 photo by Matsunaga Kazuaki

 とはいえ、内容は一方的なものではなく、日本トップチームとの差はそれほど大きくは感じられなかった。

 相手のストロングポイントに対応したうえで、ディープショットを多用するなどして、相手を揺さぶり、その攻撃力を削いでいた。「常に手を打っていかないと、すぐに修正してくるだけの強さを持っている」(坂口)という強敵に対して、事前に練っていた戦術を実行し、それは十分に機能していた。

 加えて、これまでのようにミスを連発して自滅気味に崩れることもなかった。試合終盤における経験の差、集中力の差で、わずかに及ばなかった試合だったと言える。

 ゆえに、坂口も、村上礼華も、この敗戦を前向きに捉えている。村上礼華が「(石井&村上めぐみペアと)前回対戦したときよりも手応えがあった」と言えば、坂口も「(試合の)主導権は渡してくれなかったが、やられた感じはなかった」と語った。

 目標にしていた今シーズン唯一の公式戦での優勝は叶わなかったが、この1試合から得たものは大きい。戦いの舞台が以前のような状態に戻るのはいつになるかはわからないが、来春に向けて、坂口&村上礼華ペアへの期待は膨らむばかりだ。

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