2020.09.23

西田有志の絶対に変えない目標。
「こんなことあるのか」を乗り越える

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto yuuri

スーパーエース・西田有志 
がむしゃらバレーボールLIFE
 (12)

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 男子バレーボールの新星、西田有志。その波乱万丈なバレー人生を振り返ったこれまでの連載が人気を博したが、今回からは今シーズンの動きを追っていく。連載再開の1本目は、延期が決まった東京五輪への思いを聞いた。

男子バレーの若きエースとして注目を集める西田***

 2月29日に行なわれた2019-2020シーズンのV.LEAGUEファイナルで、パナソニックパンサーズとのフルセットの激闘を制し、チーム史上初の優勝を果たしたジェイテクトSTINGS。その試合は、新型コロナウイルスの影響で無観客での開催になった。

 ジェイテクトのエースとしてチームをけん引した西田有志は、決勝後の記者会見で「海外の試合では、お客さんがほとんどいないこともよくある。だから別に気にならなかった」と話したが、この連載の取材で「対戦相手の清水邦広選手は『正直やりづらかったですね』と振り返っていましたが」と伝えると、少し考えてから苦笑し、こう述べた。

「確かに、試合直後には少し強がって『気にならなかった』と言いましたが、正直なところ、かなりやりづらかったです。特に昨シーズンは、日本代表がワールドカップで4位になった影響もあってお客さんがたくさん来てくださり、自分たちを後押ししてくれましたから。だから、観客席に誰もいなくて、スパイクを決めても歓声が上がらないことに戸惑いました。それまで味わったことがなかった感覚でしたね」

 その1週間前のセミファイナルにも多くの観客が入っていただけに、違和感も大きかったのだろう。

 そして、リーグ初優勝の喜びもつかの間、東京五輪の開催延期が決定する。小学校3年生の時に、2008年の北京五輪で清水や福澤達哉などが活躍する姿をテレビで見てから、西田は「オリンピックで活躍すること」を目標にしてプレーを続けてきたが、延期をどう受け止めたのか。