2020.07.14

王者との決戦で「自分に腹が立った」西田有志。悲願達成後の涙の理由

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 火野千鶴●撮影 photo by Hino Chizuru

 その王者とのレギュラーラウンド1試合目は、1レグ最後のホームゲーム(11月23日)。ジェイテクト本社から大応援団が駆けつけ、会場は超満員になったが、ジェイテクトはパナソニックに0-3のストレートで完敗した。

 西田が「パナソニックさんが上手だった」と振り返ったように、パナソニックは日本代表の清水邦広と久原翼、ポーランド代表のミハウ・クビアクがバランスよく得点していった。一方でジェイテクトの攻撃は封じられ、西田も得意のサーブで8つのミスを犯すなど波に乗れなかった。

 ジェイテクトは、2016-17シーズンの「ファイナル6」以降、公式戦でパナソニックに一度も勝てていなかった。しかも内容で圧倒される試合が多かったため、「今年もパナソニックには勝てないのか......」と感じたファンも多いだろう。

 しかし年が明けての2試合目、ジェイテクトの高橋慎治監督は「対パナソニックさんの切り札として考えていた」という、ベテランの金丸晃大をミドルブロッカーでスタメン起用。金丸は高橋監督が「横移動が早く、完成するのも早い」と高く評価するブロックでパナソニックの攻撃のリズムを崩した。

 2セットを先取して迎えた第3セットは、パナソニックを14得点に抑え、"天敵"相手に圧勝。エースの西田も、3セットで終了した試合にも関わらず30得点を記録。試合後には「今日は相手の動きがよく見えた」と振り返った。

「(パナソニックの)レシーブが深かったので、プッシュなどいろんな形で点を取ることができました。ブロックもよく見えて、最初はクロスを締めてきたので(スパイクを)ストレートに。ブロックが動くようになってからは、それに対応してコースを打ち分けました」

 そう冷静に分析した後で、西田は「パナソニックさんにも勝てるんやな」と笑顔を見せた。

 しかし王者も黙ってはいない。ファイナルステージでの戦いも見据えた2月8日の3試合目は、ブロックで力の差を見せてストレート勝ち。首位決戦を制したパナソニックは翌日の試合にも勝利し、レギュラーラウンド1位抜けを決めた。