2020.07.10

西田有志のW杯活躍は「まるで漫画」。
最終戦でビッグサプライズが起きた

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Sakamoto Kiyoshi

スーパーエース・西田有志 
がむしゃらバレーボールLIFE
 (10)

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 現在のバレーボール男子代表で、大きな期待と注目を集めている20歳の西田有志。そのバレー人生を辿る連載の第10回は、W杯終盤戦と、大会を締めくくった西田の超絶サーブについて振り返る。


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W杯最終戦のカナダ戦で連続サービスエースを決めた西田 2019年10月のW杯初戦で強豪・イタリアにストレート勝ちし、幸先のいいスタートを切った日本代表。第7戦には3大大会(オリンピック、世界選手権、W杯)で何度も頂点に立ってきたロシアにも勝利するなど、5勝2敗で42年ぶりのメダル獲得に望みをつないでいた。

 8試合目の相手であるエジプトは、当時の世界ランキング13位で、同11位の日本代表にとっては確実に白星がほしい試合だった。西田は出だしから順調に得点を重ねていたが、セットカウント2-1とリードして迎えた第4セットは、「これまでに感じたことがないようなプレッシャーを感じて、思うようなプレーができなくなっていた」という。

 メダル獲得が見えていたからこそ感じた重圧なのだろう。その第4セットをデュースの末に28-30で落とし、試合はフルセットに突入。最終セットも1点差の攻防が続いたが、手に汗を握る展開の中で西田は気持ちを立て直した。

「周りの方にたくさん声をかけていただいて、やっと気持ちを切り替えることができました。(フルセットになったことで)勝ち点はひとつ落としましたが、どんな形であっても勝ち切ることができて、本当によかったです」

 第5セットは15-13で日本がモノにして6勝目。西田は苦しんだとはいえ、エース・石川祐希の24得点に次ぐ23得点を記録し、ロシア戦に続いて5点をサービスエースで挙げた。

 続く9試合目は、同年9月に行なわれたアジア選手権の覇者であるイランに、セットカウント3-1で勝利。日本は史上初のW杯5連勝で4位以上を確定させた。残るは2戦。10試合目の相手は、リオ五輪王者のブラジルだった。