2020.06.27

西田有志とは「何者なんだ?」の衝撃。
Vリーグデビューでいきなり活躍

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 黒羽白●撮影 photo by Kurobane Shiro

 チームには「サーブレシーブにも入るレフトで」という構想もあったようだが、アーマツの印象は違ったようだ。

「彼は非常にジャンプ力もあるし、体もできている。Vリーグの試合にすぐに出しても遜色はないと思ったよ。また、左利きだからライトから打たせたほうが絶対にいい。イラン代表にも左利きでレフトはいるけど、西田はメンタルも強いし、オポジットのほうが適しているように感じたんだ」

 その後もアーマツは、西田をジェイテクトの練習に参加させ、できるだけ試合にも帯同させた。さらに、チーム練習に来られない時も質の高いトレーニングができるように、自身が考案した練習メニューも渡したという。

 中には、相手コートをいくつかに区切り、それぞれにサーブを10回ずつ打ち込むといった厳しいメニューも多かったが、西田はそれをきちんと実行した。その姿勢を、アーマツは称賛した。

「偉かったね。彼が『学校の授業で疲れている』などと言って、私の目が届かないところでは適当にやるような人間だったら、あのVデビューはなかった。ジェイテクトの練習には1週間に1度くらい来ていたけど、その度に技術が向上していたし、どんどん体もたくましくなっていった。私が『うまくなったね』と声をかけると、『言われたメニューを毎日やってますから』とまっすぐに答えたんだ。バレーボールに対する熱がすごく高かったよ。そんな彼が活躍する姿を見るのは、本当にうれしいね」

 アーマツはデビュー後も西田をスタメンとして起用し続けたが、ファイナルステージ進出争いをする大事な時期だっただけに、チームのスタッフからは「経験がある選手を起用するべきでは」という声も上がったという。それでも、アーマツは揺るがなかった。