新鍋理沙が引退で大ピンチ。中田ジャパンはでっかい穴をどう埋めるか (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Nisimura Naoki/AFLO SPORT

 五輪開催まで約1年。新鍋が抜けた大きすぎる穴を、中田監督はどう埋めていくのか。新たにライトで起用されそうな選手としては、まず昨年シニア代表に初選出されたばかりの22歳、長内美和子(日立リヴァーレ)が考えられる。

 2019年のワールドカップでは主に「2枚替え」要因として起用され、格下のカメルーンとアルゼンチンとの試合では新鍋に代わりスタメンで出場した。力強いジャンプサーブとスパイクが持ち味で、これまでは男子でいう「オポジット」のようにサーブレシーブに入らず、攻撃専門でプレーすることが多い。

 また、長岡望悠(久光製薬スプリングス)の復帰もあるかもしれない。ライトに適したサウスポーで、実績からしても本来であれば適任なのだが、2018年12月に2度目の左膝前十字靭帯を損傷したことで代表から外れてしまう。しかし東京五輪の開催が1年延びたことで「復帰への時間」ができた。しっかりリカバリーして代表に戻ることができたら、バックアタックも大きな武器になるだろう。

 黒後愛(東レアローズ)をライトに置く選択肢もあるが、そのチームメイトで、昨年のW杯で鮮烈なデビューを飾った20歳の石川真佑を起用する可能性もある。石川の本来のポジションはレフトだが、東レの内定選手として出場した昨年のVリーグファイナルでは、ライトとしてもフル出場している。その際はサーブレシーブも担っていたものの、やはり攻撃に重心を置くことになるはずだ。

 中学まで速い攻撃を得意としていた石川は、木村沙織、荒木絵里香(トヨタ車体クインシーズ)、黒後らを輩出した下北沢成徳高校で高いトスを打ち抜く力をつけた。昨年度はB代表として出場したアジア選手権でもMVPを獲得するなど、身長173cmながら高い得点力があることは魅力だ。

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