2020.06.19

西田有志の海星が大金星で会場騒然
「勝てると期待してる人はおらん」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 井口は当初、西田について「三重県ではなかなかいないレベルだけど、全国では普通かな」と感じていたそうだが、「もっといい練習をさせてもっと鍛えれば、まだまだいけるんちゃうか」と期待も大きかったという。井口は西田だけでなく、自身が日体大やVリーグで経験したトレーニングや練習メニューをチームに課した。それが松坂工業を破る守備力だけでなく、ジャンプサーブを多用するなど攻撃力も向上させ、インターハイ初出場、ベスト16へとチームを導いた。

 井口は「春高ではもっと上に行こう」と目標を立て、チームのピーキングを春高本戦に定めた。

 ピーキングはスポーツにとって非常に大切な要素だ。男子バレー日本代表を例にとると、2008年の北京五輪で16年ぶりにオリンピックに出場したが、本戦では1勝もできずに5戦全敗で予選敗退となった。大会後、出場選手たちは「オリンピック予選を勝ち抜くことだけを考えていて、そこがピークになってしまった。本戦で自分たちはピークを超えてしまっていたが、他国は本戦にピークを持ってきていた」と口を揃えた。

 予選も温存するわけではないが、そこで力を使い果たすのではなく、春高本戦で勝ち進むためにチームの調子を徐々に上げていく。「春高に出場するだけでなく、そこで勝ち進むことを考えていた」という西田も本戦にピークがくるよう調整し、春高出場をかけた高校最後の戦いに臨むことになった。

(第5回につづく)

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