2020.06.19

西田有志の海星が大金星で会場騒然
「勝てると期待してる人はおらん」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

「東海大札幌は全国でも有名なチームで、僕たちはまったくの無名校。自分たちがやれることをやるだけでした。僕たちをマークする高校なんてなかったでしょうし、緊張もせず楽に試合ができましたよ」

 海星は、続く相馬高校(福島)戦をセットカウント2-0で制し、インターハイ初勝利とともに決勝トーナメント進出を果たす。トーナメント初戦の相手は、全国大会常連の強豪・東福岡高校だったが、やはりエースに気負いはなかった。西田はチームメイトたちに「ええか、俺らが東福岡に勝てると期待してる人なんて誰もおらんで。何も気にしなくてええんや。力む必要なんて一切ないから、思い切ってやろう」と声をかけたという。

 東福岡には、ユースの日本代表で互いを高めあった選手がおり、それも西田の闘争心に火をつけた。無名の海星がセットカウント2-0で優勝候補の東福岡に土をつけるという波乱の展開に、会場がざわついた。

 続く2戦目で対戦した大阪の古豪・清風高校は、東福岡を破った海星に対しても油断なく、サーブを西田に集めて崩しにかかる。しかしサーブレシーブも得意で守備の要でもあった西田はものともせずに拾いまくり、それを強烈なスパイクで得点につなげていった。

 海星は第1セットこそ先取されたが、第2セットをデュースの末に奪い、その勢いで第3セットも制して逆転勝利。攻守で獅子奮迅の活躍をした西田だが、2年時の春高予選決勝でガス欠になって以来、体作りに力を入れてきたこともあって最後までプレーの質が落ちることはなかった。

 その次戦で千葉代表の習志野に敗れた(セットカウント0-2)ものの、初のインターハイでベスト16。海星が堂々たる成績を残すことができたのは、もちろん西田の活躍もあったが、もうひとつ要因があった。西田が2年時の秋に、海星から日本体育大学を経て「V.LEAGUE Division1」の大分三好ヴァイセアドラーでプレーした井口拓也が、バレー部のコーチに着任したのだ。