柳田将洋が初W杯でまばゆい輝き。世界的「ビッグサーバー」が誕生した (3ページ目)

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 柳田は身長186cmと、バレーボールのアタッカーとしては決して大きくない。それでも、安田学園中→東洋高→慶大と進んだバレーエリートとして10代の頃から注目され、サーブの破壊力、スパイクフォームの美しさなどに定評があった。高校時代の石川は、3つ年上の柳田に憧れ、そのフォームをお手本にしていたという。

 2015年W杯は、ベネズエラ戦をはじめ、大会を通してサーブでの活躍が目立った。ジャンプサーブが世界の主流になって以降、日本にも越川優(現ビーチバレー選手)などサーブを武器とする選手はいたが、柳田は日本にも世界に通用する「ビッグサーバー」がいることを強く印象づけた。時速110キロを超えるサーブで、大会を通して19本のサービスエースを奪い、海外のエースたちに混じってサーブ部門5位(日本人1位)に入った。

 W杯後のVリーグでも柳田の人気は衰えず、所属するサントリーサンバーズは練習見学に訪れるファンの数が約10倍に増えた。この年のサントリーは成績不振で下部リーグとの入れ替え戦に回ったが、それがCSで中継される異例の事態も。チームは入れ替え戦に勝って7位でプレミアリーグに残留し、柳田はこのシーズンの最優秀新人賞を受賞した。

 Vリーグ2年目のシーズンを終えた2017年、柳田はプロ転向を発表し、海外に挑戦する決意をする。前年にリオ五輪世界最終予選に敗退し、スキルのレベルアップやバレーボールの視野を広げることが大切だと考えたためだ。この年はドイツ、翌年にポーランド、そして、今季は再びドイツでプレーした。

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