強気な西田有志の顔が涙でクシャクシャに。
初の日本一で歴史を変えた

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 火野千鶴●撮影 photo by Hino Chizuru

 2月29日、群馬県の高崎アリーナで「V.LEAGUE」DIVISION1男子のファイナルが行なわれ、ジェイテクトSTINGSが初優勝で"令和初の覇者"になった。

エースとしてジェイテクトの優勝に大きく貢献した西田有志エースとしてジェイテクトの優勝に大きく貢献した西田有志 対戦相手は、レギュラーラウンド1位で3連覇を狙ったパナソニックパンサーズ。第1セットはパナソニックが取ったが、第2セット、第3セットはリードを許していたジェイテクトのサーブが終盤に火を吹き、逆転して連取した。

 続く第4セットはジェイテクトが2度マッチポイントを握りながらも、今度はパナソニックが逆転し、フルセットに突入した。最終第5セットは、序盤からジェイテクトが5-1とリード。一時は1点差まで詰め寄られるも、ジェイテクトは最後まで攻撃の手を緩めずに15-10でシーソーゲームに幕を閉じた。

 今季は五輪のためにリーグの日程が短縮され、プレーオフも6チーム総当たりの「ファイナル6」から始まる昨季までとは異なり、5位以上のチームによるトーナメント方式が採用された。さらに、新型コロナウイルスの影響でファイナルは無観客試合に。試合前夜には「ファイナルが急遽中止に」という誤報も出るなど、混乱が収まらないなかでの戦いになった。

 それでも、「海外で、ほとんど観客がいないなかで試合をしたこともあるので、そんなに違和感はありませんでした」と振り返ったジェイテクトの西田有志は、両チームトップの36得点を挙げ、MVPを獲得した。

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