2020.01.18

清水邦広は男子バレーの不死鳥。
目指す東京五輪で「何としても結果を」

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

昨年11月にはVリーグ通算230試合出場と、通算得点数を更新 写真:Vリーグ提供――Vリーグのシーズン終了後には日本代表にも選出され、8月の親善試合、9月のアジア選手権に出場しましたが、久しぶりの代表でのプレーはいかがでしたか?

「日本代表のユニフォームをまた着ることを想像ができなかったので、もう一度日の丸を背負い、大勢のお客さんの中でプレーできることに感動しました。アジア選手権は3位と不本意な結果に終わりましたが、多くの課題を見つけることができた価値のある大会でした。

 僕は(西田有志の)リザーブで出ることが多く、その難しさも感じました。リザーブの選手は、いつでも行ける準備をして、出場したら少しの時間で結果を出さなければいけない。相手のチームに『こいつが出てきたら嫌だ』と思わせられるよう、流れを変えなくちゃいけないですからね」

――それを経て、続くワールドカップにも出場を果たしました。

「日本のファンの皆さんに『お帰り』と声をかけてもらえて、たくさんの人にいただいた恩を返したい思いはありました。それでも、僕は東京五輪のメンバー争いで当落線上にいることも自覚していましたから、『少しでもアピールしたい』という気持ちが強かったです」

――同じポジション、同じ左利きの選手として大活躍した西田選手の印象は?

「彼はめちゃくちゃすごいですね。僕の経験上、西田選手の今の年齢(19歳)の頃がもっとも選手として伸びる時期。体が成長し、技術もどんどん身についてくる。西田選手は高校を卒業してすぐにVリーグのチーム(ジェイテクトSTINGS)に入って、よりレベルの高い環境でその時期を過ごせていますから、いい判断だったと思います」

――西田選手は子どもの頃に、2008年の北京五輪で清水選手が活躍する姿を見て、「オリンピックに出たい」と思ったそうです。

「子どもの頃ですか……。時の流れは早いですね(笑)。でも、ワールドカップの時のように強い日本を見せることで、子どもたちがバレーをやりたいと思ってくれるようになってほしいですし、西田選手のように有望な選手が出てくることにつながると考えています。そういう意味でも、東京五輪は何としても結果を残さないといけない大会です。

(同ポジションのライバルでもある)西田選手の最大の持ち味は、世界でもトップクラスのサーブ。思い切りのいいプレーもそうですが、僕は違うプレースタイルで五輪を目指します。ケガや年齢を重ねたこともあって、昔と同じ高さのジャンプやフルスイングをするのは難しい。それでも、得点できる確率が高いプレーを一瞬で判断する力は、経験を重ねるごとに上がっていると思います。本番までに、相手にとって”いやらしいプレー”を磨いていこうと思います」