ビーチバレー・坂口佳穂、過酷な大会で4位。
「成長スピードを上げないと」

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 これで、決勝進出も見えてきたか、と思われたが、歴戦のベテランペアがそう簡単に屈するはずはなかった。第2セットに入ると、西堀&草野ペアは強打でなく、ショットで揺さぶりをかけてきた。サーブで前後に動かされ、それによって正確なレシーブを上げられず、坂口佳&村上ペアの攻撃力は次第に低下。西堀&草野ペアに完全にゲームをコントロールされ、17-21で第2セットを失った。

 第3セットも、西堀&草野ペアがゲームを支配。坂口佳&村上ペアも粘りを見せたが、11-15で落としてセットカウント1-2で敗退した。

 決勝には駒を進められなかったが、3位決定戦に向かった坂口佳&村上ペア。6回戦で敗れた鈴木&坂口由ペアとの再戦となり、その雪辱を果たしたいところだった。しかし、試合間のインターバルが1時間もないなかで、この日3試合目だったことが響いた。過酷なスケジュールによって、動きの精細を欠いて、セットカウント0-2で敗れた。

 第1セットは、チームの武器である村上のサーブが決まらず、坂口佳のスパイクもミスが続出。16-21で失った。第2セットは、レシーブポジションの変更や、積極的な強打で立て直しを図ったものの、「決めなくてはいけないところで決められなかった」と坂口佳。粘り強く戦ったが、29-31で落として、結局4位という結果に終わった。

 大会を終えて、村上は「(負けた試合はすべて)まったくの完敗ではなかったので、余計に悔しい」と唇を噛んだ。坂口佳も、「(4位に終わったのは)我慢し切れなかった差だったと思う。こちらがいい状態を続けていると、相手は変化してくる。それに、うまく対応できなかった。間の取り方や、相手を迷わせるゲームの駆け引きなどが、私たちにはもっと必要で、まだ足りない部分」と語り、無念の表情を浮かべた。

 とはいえ、収穫も多い大会だった。村上は昨年3位に入っているが、坂口佳にとっては、ジャパンレディース初の4位。日本のトップランカーである石井美樹(29歳)&村上めぐみ(33歳)ペアは不出場だが、久々に臨んだハイレベルなフィールドで4強入りしたことは、十分に評価に値する。坂口佳も、「その部分では、素直にうれしい」と話した。

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