石川祐希が思う「高さで劣る
日本が突き詰めていくべきバレー」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

 バレーボール全日本男子のエース・石川祐希は、イタリア・セリエAで自身4度目となるシーズンを送っている。

 2018年3月に中央大学を卒業し、プロのバレーボール選手になって1年目。昨年度の全日本ではネーションズリーグを欠場して体のケアを行ない、その甲斐あって、9月の世界選手権後、セリエAのリーグが始まってからもフル出場を続けている。

 所属チームのシエナは2勝20敗で14チーム中13位と低迷(2月27日現在)しているが、石川はここまでチーム2位となる320得点を挙げるなど活躍。そんな石川に、ここまでのシーズンの手応え、今年度の全日本への意気込みについて直撃した。

プロ選手になって1年目のシーズンを送る石川 photo by ©Emma Villas Volleyプロ選手になって1年目のシーズンを送る石川 photo by ©Emma Villas Volley――プロ選手となって迎えた、セリエAでの4度目のシーズンの手応えは?

「今シーズンは『しっかり試合に出る』という目標を立て、ここまで大きなケガもなく試合に出場し続けることができています。昨季までは大学のスケジュールやコンディションの問題などで、シーズンを通してフル出場することができていませんでしたから、そこは大きな違いですね。

『1年目からスタメンで出続けられるチームがいい』とシエナへの入団を決めましたが、徐々にステップアップできていると感じているので、その判断は間違っていなかったと思います」

――昨年12月に解任された監督が約1カ月後に呼び戻されるなどチームは大変な状況ですが、そのなかで求められていることは?

「監督からは、攻撃時のハイボールの処理やジャンプサーブが体の両サイドに来たときのレセプションについてよく指導されます。ハイボールの処理は技術的に成長している実感がありますし、ミスも少なくなってきているのでさらに精度を高めていきたいです。

 フローターサーブに関してはしっかり返せていますし、向上していると思います。試合でも、最初はどのチームも自分にサーブを打ってきますが、途中から狙いを変えられるようになった。それは自信になっています。でも、『狙われなくなってよかった』ではなくて、その分、他の選手をアシストするプレーをしなければ勝てません」

――具体的にはどんなプレーですか?

「今は元イタリア代表の(クリスチャン・)サバーニと対角を組んでいますが、相手のサーブが来る前に彼に声をかけて、自分が取りにいったりしています。そういう工夫をしていかないと、シエナが現状から抜け出すのは難しい。調子が悪い選手のプレーが急によくなることはないですから、調子のいい選手がどう助けられるのかを考えてプレーするのが大事。それは、自分の調子がいいから言えることかもしれません」

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