天才セッター・宮下遥が考える「代表復帰のためにいまやるべきこと」 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――今季の開幕戦では、宇賀神みずき選手との"ツーセッター"も試していましたね。

「私も宇賀神もスパイカーの経験があるからできる戦術ですね。ピンポイントではありますが、チームに元気がないときにムードを変えることはできると思います。試合を見ている方も、『シーガルズの戦術、面白かったな』と楽しんでもらえたらうれしいです」

――ツーセッターではサーブレシーブにも入っていましたが、いつぶりのことですか?

「シーガルズに入った当初は先輩のセッターがいたので、リリーフサーバーから後衛の3ローテーションに入るときなどはサーブレシーブもやっていましたが、セッターとしての出場が多くなってからはほぼやっていません。学生時代も、(サーブレシーブは)ほとんど練習していませんでした。

 だから、私がサーブレシーブに入っていたら当然狙われることが多くなりますよね。とくに後衛の真ん中にいるときは『うわー(サーブが)来る』という感じでしたが、絶対にAパス(セッターが動かずにトスアップできるサーブレシーブ)を返さないといけないという焦りはありませんでした。むしろ、『ちょっと気分転換になって楽しいな』と思ったくらいです(笑)」

――宮下選手はスパイクレシーブがいいので、サーブレシーブもうまくなったらすごいリベロになるんじゃないかとも思いますが。

「その評価はうれしいですけど、たぶんリベロになることはないです(笑)。ツーセッターはあくまで、リーグを戦ううえでのスパイスみたいなものですから」

――シーガルズは日本人選手だけで戦うチームですが、決定力が高い外国人アタッカーがいるチームとの対戦では苦労することもありますか?

「『ここにトスを上げておけば決めてくれる』というアタッカーがいるチームは、セッターからしたら楽ですよね。外国人選手の1本のスパイクで流れが変わってしまうこともありますが、日本人選手だけでも、阿吽(あうん)の呼吸による緻密なバレーで対抗できる。コート上の6人、外でサポートしてくれるメンバーの思いが集まりやすいという点は、日本人選手のみのシーガルズの強みだと思います」

――新リーグは「ビジネス化」を推進していますが、その点で変化を感じることは?

「ホームの試合前に音楽などを使った演出が行なわれるようになりました。各チームがそういったイベントを自主運営するようになったことは大きな変化だと思います。(12月1日の)久光製薬スプリングスさんの試合で、DA PUMPさんが登場されたイベントは、私も見に行きたかったくらいです(笑)。より多くの人に試合を見てもらいたいですし、バレーに興味がなくても会場に足を運びたくなるような試みを、リーグ全体で継続していく必要があると思います」

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