新鍋理沙も黒後愛の度胸に驚き。「私の時は助けてもらってばかりでした」 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

――久光のチームメイトで、全日本のキャプテンを務めている岩坂選手をどのように支えていましたか?

「名奈は本当にチームのことをすごく考えているので、支えることができているかはわかりませんが、『何かあったら相談しよう』と話していました。それは久光でも同じです。同級生でもある私はいろんな話をしやすい存在でしょうから、そういったところで力になりたいと思っています。経験豊富な(荒木)絵里香さんもみんなを引っ張ってくれましたし、みんなでいいチームを作ろうとしていました」

――久光でも指導を受けた、中田監督の印象は?

「久美さんは、本当に選手ひとりひとりを見てくれていると思います。たとえば、試合中にいいプレーができてベンチへ戻った時に、すっとそばに来て『ナイス』と声をかけてくれたり、試合が終わった後にも『ありがとね』と言ってくれたり。そんなちょっとした言葉が選手にとってはすごく嬉しいことで、ちゃんと見てもらえていることを実感できるんです」

――ちにみに、フルセットの激闘でセルビア代表がイタリア代表を下した、世界選手権の決勝はご覧になりましたか?

「見ました。『ここで点を取れば』というところで決めきれたチームがセットを取る、すごくいい試合でしたね。両チームのスパイクはもちろんですが、粘り強くボールをつなぐ場面が多かったことも印象的でした。あれだけ背の高い選手たちがボールを落とさずに戦えるわけですから、日本の選手はそれを上回る粘りで対抗しないと勝てないと思います」

――「粘り」の他に、日本が世界に勝つために必要なことは何だと思いますか?

「チームのテーマでもあった、『サイドアウトを1回で切ること』です。極論ではありますが、サイドアウトを1回で切り続けられたら負けることはないですからね。そのためにはサーブレシーブの精度を高めて、速くテンポのいい攻撃につなげる必要があります。リーグでも、技術を高めていくことを意識して戦っていきたいです」

――リーグの開幕戦に勝利し、ここまで2勝1敗。目標は新生「V.LEAGUE」の初代女王になることだと思いますが、それに向けた意気込みを聞かせてください。

「(V・プレミアリーグを制した)昨シーズンの戦いについて、『すごく強かったね』と言ってもらえることもありますが、チームには『このままで大丈夫なのか』という危機感もありました。ファイナル6や皇后杯で落としてしまった試合もありましたからね。今シーズンはアメリカ代表としてロンドン五輪、リオ五輪でメダルを獲得した、ミドルブロッカーの(フォルケ・)アキンラデウォも加入しましたから、より強いチームにならないといけないと思っています。

 世界選手権が終わってチームに帰ってくると、練習のやり方がガラッと変わっていて、それを若手の選手も必死に取り組んでいるので雰囲気はすごくいいです。今後は試合をしながらよりチーム力を高めていき、優勝を手にできるように頑張りたいです」

■久光製薬スプリングスのホームゲーム開幕戦

久光製薬スプリングス×PFUブルーキャッツ

【日程】12月1日(土)
【会場】グリーンアリーナ神戸
【時間】開場11:00 開演13:00
【ゲスト】DA PUMP、登美丘高校OG

(詳しくは公式HPへ>>)

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