ヤバイくらい緊張しない黒後愛。世界バレーで大器の片鱗を見せている (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 サーブに関してもゲームの中で修正ができたようだ。黒後はこの日、第1、第2セットはなかなかサーブが入らず、石井優希がリリーフサーバーに入ることになったが、第3セットからいいサーブで相手を崩せるようになった。「コーチから、『ボールと体が離れている』という指摘があって、もっとボールを体に近づけて打つようにしたら、変化するサーブが打てるようになりました。試合中の修正も大事ですよね」と笑顔が弾けた。

 今年度の全日本女子始動のときに、中田監督は「黒後はエースの器がある選手。どんどん成長してくれると信じています」と期待を寄せていた。1次ラウンド後にそのことついて尋ねると、「器の片鱗、見せているとは思いませか?」と頬が緩んだ。

「まだ波はあるんですけど、すごく頑張ってると思います。調子がいいときも悪いときも色んな経験ができている。サーブレシーブにも積極的に参加していますし、葛藤はあるようですが、話を聞きながら伸ばしてあげたいですね」

 中田監督から見ても、ここまでの黒後は"合格点"のようだ。

 駒を進めた2次ラウンドには、強敵のセルビアやブラジルがいる。8年ぶりのメダル獲得には、エース・黒後のさらなる活躍が必要になる。

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