かつての「春高のヒロイン」二見梓。ビーチ歴2年でアジア制覇なるか (2ページ目)

  • 小崎仁久●取材・文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 二見は、神奈川県の強豪・大和南高校でバレーボールに打ち込み、1年生のときに出場した全国高等学校バレーボール選抜優勝大会(春の高校バレー)でベスト8入り。大型センターとして活躍すると、そのすらりとしたスタイルのよさと端正な顔立ちから「春高のヒロイン」と呼ばれて脚光を浴びた。

 その後、高校で日本一には届かなかったが、卒業後にV・プレミアリーグの東レ・アローズに入団。2011-2012年のルーキーシーズンから奮闘し、同シーズンのチームのリーグ優勝に貢献した。

 以降もチームのレギュラーとして活躍し、ユース時代から日本代表にも選ばれて将来を嘱望されていたが、2015年に現役を引退。一度はバレーボールから離れて普通のOL生活を送っていたものの、やはりアスリートの"ハート"が疼いたのか、砂の上に戦いの場を変えて、競技の世界に戻ってきた。

 二見の大きな武器は、身長180cmという高さだ。世界では決して高いとは言えないが、その高さでのアジリティと大胆さを兼ね備えた攻撃力は、海外勢にもヒケを取らない。的を射たブロックも相手に脅威を与えている。

 さらに特筆すべきは、順応力の高さだ。

 インドアで大きな実績を残した選手でも、ビーチを舞台に移すと、対応できるまでに時間がかかるもの。体育館の床とは違って、反発力がない砂の上でのジャンプや、素早く移動するための体重のかけ方など、使う技術や筋肉が同じバレーボールであっても大きく異なるからだ。

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