ビーチバレーの「プレ五輪」。坂口佳穂の意識はどこまで膨らんだか (4ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 完全に流れをつかんだ日本最強ペア。第3セットもほぼ一方的なゲームとなって、坂口&鈴木ペアに成す術(すべ)はなかった。5-15でセットを落として完敗。最終的に3位となった石井&村上ペアとの実力差を、まざまざと見せつけられた。坂口が言う。

「フィジカルや技術など、相手との差を感じた試合だった」

 それでも、初めて挑んだ自国開催のワールドツアー、それも初の3-Starの大会において、坂口&鈴木ペアは通算1勝2敗、最終順位17位で終えた。プール戦を勝ち上がったこともあって、坂口は「よかったところもたくさんあった」と、多くの収穫を得られた大会だったと振り返った。

 強豪アメリカペア、国内トップペアとの対戦でもストレート負けすることなく、1セットは奪っている。その点を踏まえて、鈴木も「3-Starのレベルで、自分たちがどれぐらい勝負できるのかわかった」と手応えを口にした。

 大一番を終えて、坂口は改めて先を見つめる。

「ジャパンツアーはまだ大会が残っている。この経験を生かして、いかに上位の選手たちのなかに食い込んで、勝っていくかだと思っている」

"プレ五輪"の戦いを終えた坂口は、2年後の本番に向けて、自ら戦う姿をどれぐらいイメージできたのだろうか。その姿が、彼女の頭の中で大きく膨らんでいることを期待したい。

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