本人に聞く、バレー界期待の「高校生Vリーガー」西田有志とは何者か (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

10日の豊田合成戦で、初のファイナル6を経験  photo by Urakawa Ikken10日の豊田合成戦で、初のファイナル6を経験  photo by Urakawa Ikken――"高卒Vリーガー"の大先輩である越川優選手も、代表のアンダーカテゴリーでスタメンを奪えず、「少しでも早く高いレベルでやろうと決めた」と過去に話していました。

「僕も、ユースで一緒になった、1学年上の宮浦健人(早稲田大1年)さんがすごくて、『ああいうプレーができるんや』と思って、『あの人を抜くには早く上のところでやらなければ』と考えていました。それもプレミアを選んだ理由のひとつになったかもしれません」

――石川選手とともに高校6冠を達成した川口太一選手、2015年から春高を連覇した東福岡高校の金子聖輝選手など、春高バレーで活躍してVリーグ入りした年代の近い選手はどう見ていましたか?

「川口さんが6冠を達成したときは僕もレシーブが必要なポジションに入っていたので、リベロの川口さんがコート上でどう動いているのか、映像で何回も確認しました。スパイカーだった金子さんのプレーもよく観察していたので、2人の影響は受けているかもしれません」

――実際にVリーグでプレーしてみた印象は?

「デビュー戦の相手だった堺(ブレイザーズ)さんには、全日本で活躍している出耒田敬(できた・たかし)さんがいて、そのプレーを目の前にして『自分は何しとんのやろな』と思いました。それほど高校とはレベルが違ったので、『やれるんかな』と不安にもなって。でも、不安を抱えたままだとミスをするだけなので、楽しんで思い切り打とうと気持ちを切り替えました。

 高校の試合では思い切り打てばほとんど止められませんでしたし、Vリーグでも最初はスパイクもけっこう決まったんですけど......。(その後は)Vリーグでは思った通りにいきませんでした。特に、3レグ最後のホームゲームで戦った豊田合成さんとパナソニックさんは、やっぱり上位チームということもあって、データのとり方や対策の立て方がそれまでと違っていました。『まだまだ自分のスパイクは通じんのやな』とあらためて気づかされました」

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