イタリアの石川祐希を直撃。3度目の挑戦で「言葉がわかってきた」 (3ページ目)

  • 中西美雁●文・撮影 text & photo by Nakanishi Mikari

――4年間で出場したインカレでわずか1敗。その唯一の敗戦から感じたことは?

「正直、中大に勝つチームがあるとしたら筑波大じゃないかと思っていました。最もプレーに魂がこもっていて、他の大学の試合も見ていましたが、『当たるとしたら筑波かな』と。だからといって、もちろん負けていいとは思っていなかったですけどね。
 
 すごく印象に残っているのは、その試合の内容ではなくて、大会が終わった後のことなんです。3位決定戦に勝って僕がすごく泣いていた時に、誰かに『泣かせてごめんね』と言われて。(実際は)負けたことじゃなくて、大学での競技生活が終わったという想いからの涙だったので、その言葉には引っかかるところがありました。悪気はなかったと思うんですけど、負けたら悔しい言葉を掛けられることもあるんだなと。あらためて、『少なくとも日本でやる時は絶対に負けたくない』と強く思いました(笑)」

――中央大学での4年間のなかで、特に印象に残っている試合はありますか? Vリーグの強豪であるサントリー・サンバーズに勝利した、2015年の天皇杯を覚えているファンも多いと思いますが。

「その年の天皇杯も印象深いですけど、試合の内容で考えたら、2016年のインカレの東海大との決勝ですね。4年間で最も気合いが入っていた試合で、どのセットも接戦になって、本当に力を出し切って勝った。大学の試合に限定した場合は、その決勝の試合が一番です」

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