「ポスト・サオリン」には恐縮しつつ、
東レ・黒後愛は全日本入りへ意欲

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――木村さんと同じく、成徳で活躍してから東レに入ったことで「ポスト・サオリン」と呼ばれることも多いと思いますが。

「『全然そんなんじゃないのにな』って思います(笑)。確かに、成徳から東レに入ったのと、サーブレシーブをするアタッカーというところは一緒ですが......。全日本のエースだった沙織さんは、私とは比べものにならないし、比べちゃいけない存在です。もちろん、将来的にそうなってほしいという期待を込めてのことだと思いますし、それをプレッシャーに感じることはありません。むしろ嬉しいです。

 プレースタイルは違いますが、沙織さんみたいにチームメイトに頼られる選手になりたいです。『ここで1点ほしい』という場面で決められて、仲間のミスをカバーできるようになれたらと思います。攻撃だけじゃなくて、守備の面でもしっかり貢献できるように頑張ります」

笑顔で今後について語る黒後 photo by Nakanishi Mikari笑顔で今後について語る黒後 photo by Nakanishi Mikari――木村さんと一緒に練習をしたり、アドバイスをもらったりしたことは?

「引退する沙織さんと入れ違いになってしまったので、一緒に練習することはできませんでした。沙織さんに直接声をかけられたのは、私が高校生のときに『黒後ちゃーん』と差し入れを持ってきてくれたときですかね。でも、東レに入った後に、リオさん(迫田さおり)から『沙織さん、まだ名前を覚えてなかったよ』と教えられて(笑)。私の名前を間違って覚えていたみたいなので、沙織さんが引退するときにチームから渡した寄せ書きに、『私の名前は黒後です。覚えてくださいね』って書きました」

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