「今は40%」でも戦えた。グラチャンに見る中田ジャパンの伸びしろ (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 常に話題にのぼる正セッター争いも、今大会である程度の方向性が見えたように思える。5試合中4試合で先発した冨永は、トスがサイドで雑になったり、左右どちらかに偏ってリードを広げられたりする場面もあったが、中田監督は「厳しい場面、リードされた場面でも最後まで使うことが必要だと思った」と、冨永を代えなかった。出場時間の少なかった佐藤美弥、ケガで外れた宮下遥にも「チャンスはあります」とつけ加えたものの、国際経験の少ない冨永にとって、強豪国相手に苦しい戦いを耐え抜いた経験は大きな財産となるに違いない。

 常に勝利を目指しながら、ガラリとスタメンを変え、いろんな人材を起用することでチーム力を上げてきた中田監督。現段階でのチームの成熟度については、「(東京五輪がある)3年後を100%とするなら、今は40%くらい」と答えた。今大会で明確になった課題も含め、どのように残りの60%を埋めていくのかに要注目だ。

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