「今は40%」でも戦えた。グラチャンに見る中田ジャパンの伸びしろ

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 ワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャンバレー)女子大会が幕を閉じた。全日本女子は2勝3敗で5位。最終日の中国戦で敗退した後には、報道陣に対応する中田久美監督が涙を見せるなど、ここまで快調な歩みを見せてきたチームにとっては悔しい結果となった。

 しかし、"ポスト木村沙織"の筆頭と見られているエースの古賀紗理那を欠きながら、前回大会の覇者であるブラジルを倒し、世界ランキング2位のアメリカをあと一歩のところまで追い詰めたことは評価されるべきだろう。その健闘の陰には、チームの主軸となる選手たちの活躍があった。

エースの古賀を欠く中、攻守に渡って活躍した新鍋エースの古賀を欠く中、攻守に渡って活躍した新鍋 ロンドン五輪の銅メダリストである新鍋理沙は、中田監督の就任と同時に全日本に復帰し、"中田ジャパン"のテーマにもなっている「サーブレシーブ」で、ここまで盤石の働きを見せてきた。グラチャンバレーでも、ベストリベロ賞を受賞した井上琴絵らと共に、強豪国の強力なサーブを少しもひるまずにセッターに返し続けた。

 新鍋は、8月のアジア選手権でMVPを受賞しているように、攻撃面の貢献度も高い。この大会ではベストスコアラーランキングで5位、ベストサーバーで3位に入るなど、3年ほど代表から遠ざかっていた影響をまったく感じさせなかった。

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