中田監督も迷う。グラチャンで全日本女子の正セッターは誰なのか (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 その会見で、中田監督は「気になったのは、ワールドグランプリで被ブロックが130本1試合につき20本前後あったことです。それを減らすことによって、もう少し点数を取ることができると考えています」と課題も口にしている。被ブロックを減らすのは、アタッカーの技量ももちろんだが、ブロックを分散させ、打ちやすいトスを供給するセッターの問題でもある。そこがセッター争いの明暗を分けそうだ。

 その点について、佐藤は「自分が(トスを)上げている試合で、被ブロックが多いのは感じています。ネットからの距離もあるだろうし、速い攻撃をしている分、(ブロックに)2枚つかれると打つ範囲が狭められてしまうこともあると思います。そこは改善していきたいですし、そういうトスを上げてしまったら、自分がレシーブでフォローをして、被ブロックを減らさないといけない」と意気込んだ。

 一方の冨永も「どちらがスタメンなのかはギリギリまでわからないので、準備に苦労する面はあります。途中から出る時は劣勢の場面が多いですし、やりがいも大変なところもありますね。でも、とてもいい経験をさせてもらっているので、このチャンスを活かしたいです」と前向きなコメントを残した。

 かつて、史上最年少の15歳で日本代表に選ばれ、名セッターとして活躍した中田監督は誰を司令塔に据えるのか。宮下を含めたセッター争いの今後を大きく左右するだろうグラチャンバレーが、まもなく幕を開ける。

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