中田監督も迷う。グラチャンで全日本女子の正セッターは誰なのか (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

ブラジル戦で多彩な攻撃を披露した佐藤美弥ブラジル戦で多彩な攻撃を披露した佐藤美弥 若きエースを欠くことになったチームの"キーマン"について、中田監督は「セッターの2人です」と即答した。その2人とは、佐藤美弥(27歳)と冨永こよみ(28歳)だ。

 竹下佳江の引退後に司令塔を務め、リオデジャネイロ五輪にも出場した宮下遥(22歳)はメンバーから外れた。宮下も古賀と同じくヒザの腱の炎症で、ワールドグランプリの初めから痛みを伝えていた。中田監督は「痛いと言ってくれてありがとうと思いました。本人ともよく話して、今回は無理をしないようにという結論に至りました」と話す。

 佐藤と冨永は、過去にも全日本に招集されたことはあるものの、佐藤は公式戦に出場したのは今季が初めて。冨永も3大大会(オリンピック、世界選手権、ワールドカップ)でのプレー経験はなく、しばらく全日本から遠ざかっていた。

 今季、中田監督は2人を交代で起用してきているが、先に存在感を示したのは佐藤だった。ワールドグランプリのブラジル戦に先発し、古賀にボールを集めて得点を重ね、古賀のマークがきつくなってきたと見るや、得意のミドル攻撃にシフト。最終セットまでもつれた激戦を制し、正セッター争いは佐藤が一歩リードしたかと思われた。

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