ビーチバレー、坂口佳穂&藤井桜子が「ペア解散」の試合で見せた輝き (3ページ目)

  • 小崎仁久●取材・文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 しかし、中盤あたりから実力の差が徐々に表れ始めた。「やはりパワーの差が......」と坂口が話すように、スパイクで打ち負け出すと、坂口のレシーブミスなどが失点につながってしまう。途中、坂口の1ブロックにするなど守備システムの変更を試みるも、その効果もなく、第1セットは18-21で奪われた。

 第2セットも、坂口のサーブが決まり、動きの悪い二見にボールを集めるなどして、序盤は互角の戦いを見せた。が、中盤を迎えると、息切れ。相手に一気に得点を重ねられて13-21でセットを落とし、セットカウント0-2で敗退した。

「自分たちのバレーをやる、ということはできたと思う。課題も含めて、次につながるゲームにはなった」

 試合後、坂口がそう振り返れば、藤井もそれに頷いてこう語った。

「後半の勝負強さなどの問題はあったが、(チームとして)いいところも出せた」

 3日間で6試合を戦った坂口&藤井ペア。サーブやスパイクなど、強打によるふたりの攻撃性は要所で光っていた。決勝トーナメントの2回戦では今季の課題のひとつ、相手に合わせてズルズルとリズムを悪くしてしまう流れも断ち切ることができた。

 さらに、坂口個人としても、試合中に藤井が思わず「すごい!」と叫ぶほどの、スパイクやサーブが何度も決まった。大会を通して、成長の跡が随所に見られた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る