いきなり強いぞ、中田ジャパン。女子バレーが6年ぶりにブラジルを撃破 (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 ブラジルは、5位に終わったリオ五輪後に大幅な世代交代を進めている最中だ。チームの売りであった、ミドルからの高くパワーのある速攻が影を潜め、アタッカーの選手がリベロを務めていたこともあり、守備の連携もなかなか取れていなかった。6年前の、ロンドンオリンピックの出場権がかかったワールドカップでの白星とは重みが違うかもしれないが、それでもブラジルに競り勝てた意味は大きい。

 ギマラエス監督はロンドン五輪で金メダルを獲得した名将であり、今回の試合中にも次々とチームに修正をかけていた。セットカウント2-2となり、ブラジルに流れが行きかけたところを、しっかり押し返して勝ち切れたことが何よりの収穫だろう。

 チームをけん引した古賀は、「前日のセルビア戦で悔しい負け方をしたので、今日勝ち切れたことはチームにとって自信になりました」と笑顔を見せた。その言葉通り、翌週の香港大会ではセルビアにリベンジを果たし、続くロシアにも勝利を収めた。

 今後もブラジルや世界の強豪国に勝ち続けるためには、点を取れるサイドアタッカーが古賀の他にもうひとりほしいところ。しかしそこは、ブラジル戦で控えに甘んじた石井優希の復活や、ジュニア選手権(U-20)に回っている黒後愛、井上愛里沙らの合流で埋められるはずだ。東京五輪に向けて順調すぎるスタートを切った"中田ジャパン"の、さらなる成長を期待したい。

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