いきなり強いぞ、中田ジャパン。女子バレーが6年ぶりにブラジルを撃破 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 土壇場での宮下起用も含め、中田新監督の采配が見事に的中した試合だった。その最たるものが、3年ぶりに全日本に復帰した新鍋と、内瀬戸という2人のレセプションアタッカーをスタメンに並べた点にある。両者の身長は、新鍋が173cmで、内瀬戸が171cm。世界には190cm台のアタッカーが珍しくない中、あえて小柄な2人を起用した理由を「ブラジルは高い攻撃力のあるチーム。なので、こちらも高さで対抗するのではなく、守備を固めることにした」と中田監督は明かした。

 その意図通り、内瀬戸のレセプションは50本受けて成功率58%、新鍋が21本受けて成功率76%と安定していた。レセプションだけでなくディグ(スパイクレシーブ)も何本も上げ、ラリーが続く試合となった。

 また、この大会で初めて佐藤をスタメンでセッターに据えたのも、「ブラジルは日本を研究してくるはず。ならば、セッターを代えれば(相手の裏をかける)」という狙いからだった。しっかり対策を練ってきた日本に、ブラジルのギマラエス監督も、「第2セットまでは我々のバレーができなかった。日本は出だしから調子がよくて、終始冷静にプレーした。決定率もよく、トス精度のレベルも高い」と脱帽した。

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