ビーチバレー選手たちの悲痛な叫び。隠蔽されかけた「不祥事」の顛末 (4ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 その結果、JVAから何の連絡もなく時が過ぎ、ポレッチ・メジャーの開催が近づいた頃、JVAの対応に不信感を募らせた選手たちが、意を決して自身のSNSなどで事の顛末を公にした。ある選手が悲痛な胸の内を語る。

「自分たちの恥をさらすようで本当はしたくなかったが、競技を応援してもらっている人たちにも謝らないといけない。このことで精神的に不安定になり、夜も眠れなくなった。競技に集中できなくなっていた」

 その後、こうした選手たちの"告白"によって、そのニュースが全国紙などでも取り上げられることになった。それがわかると、JVAは慌てて当該選手全員に謝罪のメールを送り、公式サイトで公表した。ミスの発覚から約1カ月も経過してからのことだ。

 そして、7月1日から開催された国内ツアー第3戦、南あわじ大会の際にようやく、ビーチバレーボール事業本部長が選手たちの前で頭を下げた。

今回の一件について、選手たちに謝罪したビーチバレーボール事業本部長今回の一件について、選手たちに謝罪したビーチバレーボール事業本部長 ただし、メディアに対して事業本部長は会見を拒否、コメントも出さなかった。事態の経緯についても、企画部広報担当がメディアの質問に答える形でしか明らかにせず、選手への虚偽連絡は認めたものの、その理由や、選手への謝罪が遅れた事情などは曖昧な説明に終始した。

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