ビーチバレー選手たちの悲痛な叫び。隠蔽されかけた「不祥事」の顛末 (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 ビーチバレーボールの世界ツアーにおいて、現行のシステムでは選手らがFIVBの定める期間の1週間前までにJVAに参加申請し、その後、JVAが国内選手のエントリーを一括してFIVBに行なうことになっている。人が複数介在し、ミスも起こりうる作業ではあるのかもしれないが、関係者によれば「過去にエントリー期限までに申請を行なわなかったなんて話は聞いたことがない」という。

 では、そんなミスがなぜ起こったのか。結論を先に言えば、単純に担当者が申請をし忘れただけだった。

 選手らの告白によってわかった詳細については、以下のとおりである。

 まず、JVAのトピックスにはなぜか記されていなかったが、希望選手が出場できなくなってしまった大会は6月27日から開催されたポレッチ・メジャー(クロアチア)。ツアーの中でも最高位の5スターにランクされる重要な大会のひとつである。そのエントリー期限は、5月28日だった。

 そしてある日、申請を行なったにもかかわらず、大会のエントリーリストに自らの名前が載っていないことにひとりの選手が気づいた。そこで、JVAに確認を求めると、申請し忘れ、という事態が明るみとなった。

 ただし、その張本人となる担当者とはなかなか連絡が取れなかったそうだ。ようやくその担当者がつかまって、今回のミスについて理由を聞くと「機械のエラーでエントリーできなかった」と説明したという。

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