中田久美と宮下遥、天才セッターの師弟が思い描く全日本女子の未来図 (5ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Mikari Nakanishi
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi



 例えば、彼が言うには「日本人はスパイクで工夫するのはすごくうまい。でも、そういうものばかりに頼りすぎて、ハードヒットしない。何が何でも難しいタイミングでも強く打つという意識がない。だから、とにかく今は打て!」と。

 でも、私だけの考えなのかもしれませんが、日本人のよさは、そのうまさであり、外国人のブロッカーをイライラさせたり、嫌なところをつくというところだと思うので、「あっ、そういう考え方もあるんだな」と新鮮に思いました。そういう捉え方も、頭ごなしに「ノー」というのではなく、今は受け入れて、みんなフェロー(フェルハトコーチの愛称)のアイディアを実践しながらやっています。

「天才セッター」と呼ばれ、宮下と同じく10代で全日本の司令塔を担っていた中田監督とは、コミュニケーションもうまくとれて、同じ方向を向けているようだ。後編では、東京オリンピックについて、そしてオフの過ごし方について聞く。

(つづく)

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