中田久美と宮下遥、天才セッターの師弟が思い描く全日本女子の未来図 (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Mikari Nakanishi
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi



――複数のアタッカーが一緒に攻撃に入ってくる感じでしょうか?

宮下 シンクロ(同時攻撃)とか、攻撃枚数を4枚にするとか、そういうのではなくて、ただ単に、テンポをよくするということですね。それができてくると、自然とシンクロだったり、攻撃枚数が4枚になったりすると思う。最初から同じタイミングで、とか4枚で攻撃に入ろうとかしてしまうと、質の部分が作れない気がするので、ひとつずつ質を高めながらやっていけば、自然とシンクロなどもできてくるのではないかと思います。

――中田監督と、どんな話をされるのか、差し支えない範囲で教えてください。

宮下 選手一人ひとりの動きを見てくださっていて、私だったら、「もう少しジャンプトスの跳ぶタイミングを早く」だったり、「ボールの下に早く入りなさい」とか、細かい動きまで言ってくださる。もうちょっと改善した方がいいな、というポイントを指摘してくださいますね。

――首脳陣のひとり、トルコ人コーチのフェルハト・アクバシュさんの印象はどうですか? 全日本女子では史上初の外国人指導者ですが、どんな指導を受けていますか?

宮下 今まで全日本のことを「敵」として見ていた方なので、自分たちで考える自分たちの長所・短所ではなくて、対戦国から見た日本の長所・短所を知っている。このチームで唯一それを知っている方なので、考え方も全然違うところがあって、言われたときに「へぇー」ってなります。

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