日本男子バレーに明るい兆しか。活動自粛明けの中垣内監督の下、3連勝 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken

 ファン待望の石川・柳田将洋の対角が機能し、1セット目を25-15の大差で先取すると、2セット目も26-24とデュースの末に連取。3セット目を25-27で落としたことでトルコに流れがいくかと思われたが、第4セットは代表初選出の司令塔・藤井直伸の好サーブで相手のレセプション(サーブレシーブ)を崩すなどして、25-16と制して試合を終えた。

 初戦を飾った後、中垣内監督は「紆余曲折あって監督に就かせていただき、今日勝てたのは非常に嬉しい。コート際に立つのは久しぶりなので、蘇ってくるものが多々あった。選手は本当に頑張ってくれた。今日の1勝は選手たちにとっても、私にとっても非常に大きかった」と感無量の様子だった。

 記者室では「負けた方が面白い記事になったのに」という冗談めいた感想もあったが、試合前から、監督自身はもちろん、選手やスタッフ陣にも不安はあっただろう。しかしこの初白星で、さまざまなノイズや不安をかき消した。

 続く10日のスロベニア(世界ランク29位)戦は石川を休ませた布陣で臨んだ。フルセットにもつれ込んだ試合は、先にマッチポイントを握られるも、柳田の2連続サービスエースで逆転して逃げ切る。その勢いのままに翌日の韓国(世界ランク22位)戦をストレートで制し、3連勝で大会を終えた。

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