木村沙織なき女子バレー界、新鍋理沙と古賀紗理那は世界に通用するか (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 各国代表選手が名を連ねる「世界選抜」とも言うべきクラブが集まっているため、大会のレベルは非常に高い。その中でも優勝の大本命は、昨夏のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した中国のエース、シュテイが所属し、ヨーロッパチャンピオンズリーグを勝ち抜いたワクフバンクになるだろう。

 他にも、スイスのボレロ・チューリヒは開催国枠でこの大会に3度出場した経験があり、国内では2012年1月から185連勝中の強豪だ。また、ブラジルのレクソナにも注目したい。このクラブの監督は、「世界最強」のブラジル男女代表を長年率いてきた、ベルナルド・レゼンデ氏。昨夏に代表監督を引退しているため、新たにこの大会にかける思いもひとしおだろう。

 ボレロ・チューリヒ同様、過去3度の出場経験がある久光製薬は、今年度から全日本の監督となった中田久美前監督のもと、この大会を「世界戦略のひとつ」と位置づけてきた。中田前監督は、「私たちの目標は世界クラブで勝つこと」と目標を掲げ、V・プレミアリーグもその過程であるとした。そのため、黒鷲旗(くろわしき)大会と日程がかぶった2014年には、世界クラブ選手権を優先して黒鷲旗大会を欠場している。

 それほど重要視して臨んだ過去3度の大会では、組分けの不利もあって、強豪クラブに金星を挙げながらも表彰台に上ることはなかった。そのチームで活躍が期待されるのが、今年度、3年ぶりに全日本に選出されたウィングスパイカーの新鍋理沙(しんなべ りさ・26歳)だ。

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