狙われた坂口佳穂。ビーチバレー
新ペアが1回戦突破も、強豪には完敗

  • 小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 坂口は肩を落として試合を振り返る。

「(相手が)強打で攻めてこないことはわかっていたが、対応できなかった。そのうえ、ミスが多かった」

 シーズン前にはアメリカ・ロサンゼルス合宿を2度行なって、基本技術の土台作りから十分な練習を積んできた。その成果について、坂口が語る。

「個人的には、パス、トスの技術、決定力のアップなどをポイントにして合宿をこなしてきた。それで、スパイクなどはよくなっていると思う」

 ただ、それが結果としては表れなかった。坂口は、「よくなっている部分もあるけど、試合ではまだ調子に波がある」と言って、唇を噛み締めた。

 指導する瀬戸山正二コーチは、今大会の敗因についてこう分析する。

「ひとつひとつの技術は、それほど悪いわけではなかった。試合のリズムが作れない、勝負どころがわからなかったなど、チーム力が足りなかった」

 確かに、連続失点を重ねたり、有利である風下側のサイドで得点できなかったり、試合の流れを自ら手放す場面は結構あった。

 とはいえ、坂口個人の技術だけをクローズアップすれば、スパイクの強度やブロック時の動きなどは昨シーズンより上回っており、確実に進歩の跡が見られた。今後もこうした敗戦を糧にして、さらなる成長を重ねていくことが大事だ。

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