朝日健太郎がエール。「越川、ゴッツは
ビーチで五輪メダルを狙える」

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo


朝日 メジャーとまでは言い切れないもしれないですけど......。五輪競技の中ではメジャーかもしれません。賞金としてはテニスの10分の1〜50分の1と言われています。

――年俸はどれくらいですか? プロとして生活できるのでしょうか?

朝日 トップ選手で1億円くらいじゃないですかね。スポンサー収入を含めて。一番メジャーな大会に優勝して10万ドルくらい。2人で10万ドルなので割ると500万円くらいです。それを3つ4つ獲っていくと、数千万円くらいにはなる。僕らが一番稼いだ時でも、1シーズン、2人で6〜7万ドルだったと思います。10万ドルには届かなかった。

――ビーチバレーにはどんなフィジカルが求められるのですか?

朝日 力強いジャンプ、砂の上で動き続けられる下半身の強さが求められます。でも、Vリーグの第一線でやれていれば、フィジカル的には十分です。高くジャンプするというよりも、"タフ"っていう能力が一番必要になってきます。

――東京五輪出場、そしてメダル......。越川選手、石島選手は、そこまでたどり着けますか?

朝日 東京五輪までの時間は正直短いですが、世界の第一線で戦うと考えれば、(インドアに比べて)ビーチバレーボールのほうが遥かにメダルに届く可能性が高いです。というのも、ビーチバレーはテニスとかゴルフのような個人競技に近い。 また、試合回数が多いというのが特徴。インドアの公式戦で、全日本は強豪国であるアメリカ、ブラジルと年に1回か2回しか対戦できませんが、ビーチバレーなら年に10回も20回もやることができますから、そのなかで揉まれて勝機をつかんでいく。プロセスがまったく違うんです。

 もちろん、ビーチバレーも世界との差はありますが、その距離がそんなに遠くない。まだ追随できる距離にある。"勝負の循環"が6人制の国別対抗の大きな循環よりもビーチバレーは早い。昨年のリオ五輪を振り返ると、イタリアはわずか4年でトップに来ました。男子は96年当時、アメリカ・ブラジルしかいない状況だったので、日本もそこに入っていけた。僕らが退いてから、日本は選手の入れ替えがほとんどない。彼ら(越川、石島)がこちらへ来ると、日本のレベルが加速度的に上がります。

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