サオリン復調、紗理那は首位、宮下遥は屈辱の涙。Vリーグ6強出揃う (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  photo by Aflo Sports


 レギュラーラウンドを1位通過したのは、ポスト・サオリンの一番手、古賀紗理那を擁するNECだ。古賀も初戦は調子が上がらず、途中交代させられる場面もあったが、それ以降はチームを引っ張るベテラン近江あかりとともに調子を取り戻し、勝利にに貢献。最終的に勝ち点43で3チームが並んだが、勝利数で上回り、首位通過を決めた。

 リオ五輪メンバーから落選してから、記者会見でも硬い表情の多かった古賀だが、終盤はすっかり吹っ切れて、のびのびとプレーした。近江は「ファイナル6も、勝つことはもちろん、見に来てくださる方におもしろいと思ってもらえる試合をしたい」とファンにアピールした。

 久光製薬は序盤から上位をキープ。終盤に少し足踏みしたが、最終週に連勝してセット率で日立を上回り、2位でレギュラーラウンドを終えた。リオ五輪代表のポイントゲッター長岡望悠は、アタック決定本数がポリーナ・ラヒモワ(トヨタ車体)に次ぐ2位。アタック決定率でもミドルブロッカーが上位を占める中、6位に食い込む成績を挙げている。長岡がコンスタントに得点し、攻守の要、新鍋理沙がフル稼働すれば、連覇も遠くないだろう。

 さらに、リーグ途中で故障していたミドルブロッカー岩坂名奈の復帰も明るい材料だ。187cmの長身はやはり、相手アタッカーにとっては無視できない高い壁。全日本の監督が久光製薬総監督の中田久美になったことで、全日本への復帰の可能性も十分考えられる。その岩坂は「昨季のファイナルラウンドは、他力で進出できた危なっかしいものでした。今季はしっかりと自力で決勝に駒を進めたいです」と力強く語った。

 3位の日立は松田明彦監督が掲げる「速いバレー」が前半戦は機能し、いいスタートを切った。しかし、皇后杯決勝ではことごとくトス回しを読まれ、久光のブロックの餌食となり、優勝を逃した。リーグ後半は立て直したが、セット率で及ばず3位でレギュラーシーズンを終えている。

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