退任した女子バレー眞鍋元監督が語りつくす
「2度の五輪と今後の日本」

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari



―― リオ五輪の前に取材した時も、先ほど話に出た「化学反応」に賭けるとおっしゃっていましたが、それは少しでも起きましたか?

眞鍋 起こらなかったです。だから5位だったのでしょう。

―― 具体的には、何を期待していたのでしょうか?

眞鍋 それは会見でも言いましたが、わかりません。何かと何かが混ざり合って、化学反応が起こるじゃないですか。爆発力なのか、チームのすごいまとまりなのか、勢いなのか、それはわかりません。

 とにかくベテランも若い選手も頑張ってくれました。終わったことを悔やんでも前には進めませんので、五輪で5位という経験をしたメンバーも、最終的にメンバーに入れなかった選手も、この結果を真摯に受け止め、次のチャンスへ向けてベストを尽くしてほしいと思います。



 リオ五輪後、眞鍋は代表監督の立場から離れ、新しいステップを踏み出すことにした。姫路市を拠点としたプロの女子バレーチーム、「ヴィクトリーナ姫路」のGMに就任したのである。姫路は眞鍋の出身地でもある。姫路から五輪選手やスタッフを輩出すること。これが今の目標だという。

―― 眞鍋さんは、新日鐵を退社してセリエAに挑戦した頃から、日本代表監督も含めて、これまでプロ契約でやってこられたのですか?

眞鍋 36歳からずっとプロ契約です。いろいろ形態は違いますけどね。自分の人生を振り返ってみると、いつも思うんですが「チャレンジ」が大好きなんです。なんでかな、これは。

―― 温厚そうな眞鍋さんの、見た目のイメージとは違いますよね。

眞鍋 そうかもしれない。でも、大好きなんです。やりがいがある。

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