退任した女子バレー眞鍋元監督が語りつくす「2度の五輪と今後の日本」 (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari



―― ロンドン前にされていた戦術というのは。

眞鍋 セッターからアタッカーが打つまでの秒数を速くしたり、真ん中パイプ(前衛のクイックをおとりにしてバックアタック)を速くしたりですね。あと、(159cmしかない)竹下(佳江)がディグ(スパイクレシーブ)するから、次のトスをリベロの佐野(優子)に、まかせてスパイカーを増やし、さらにアンダートスで速く上げるようにしたんです。

―― リオ五輪の5位という結果は、どう捉えていますか。

眞鍋 いろんな要因がありますが、一番は世界との身長差ですね。今回のリオ五輪ベスト4に入った中国・セルビア・オランダ・アメリカで考えてみます。

 リベロ、セッター、レシーバーを除くと4チームで34人のアタッカーがいました。34人のアタッカーのうち、オランダの左利き6番だけが180cm。ベスト4に入ったチームのアタッカーのうち、その1人を除いた33人は全員が185cm以上。それほど身長差があります。現実、日本の一番高いアタッカーが186cmですから。

 だから今後、より一層厳しくなるとは思います。国内で活躍するのももちろん大事ですが、世界に行っていろいろな経験を積んだり、高いレベルを体感することも、チーム・ジャパンにとっては大事なことだと思います。

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