東京五輪で見たい!
春高バレーで輝いた、未来の日本代表候補5人

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 一方、黒後と同じくTeam COREのメンバーである宮部藍梨(3年・182cm)を擁した金蘭会(大阪)は、就実とフルセットの激闘を演じた末、準決勝で姿を消した。インターハイ、国体と決勝で成徳と戦った宮部は、「同期や後輩に支えてもらってここまでこれた。本当は、高校最後の試合はまた成徳とやりたかった。私の分も、成徳には頑張ってほしい」と号泣した。

 ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた18歳。309cmの最高到達点を誇り、一昨年はシニアの全日本代表として国際大会にデビューを果たした。バックアタックも打てるパワーヒッターなところが魅力だが、昨年から腰を痛め、リオ五輪には選出されなかった。

 黒後とは1年生の頃にユース選抜で一緒になるなど仲が良く、黒後も「(決勝は)藍梨の分まで頑張りました」と語っていた。卒業後の宮部はV・プレミアリーグには入らず、関西大学リーグ1部の神戸親和女子大に進学し、バレー部で活動を続けるという。

 神戸親和女子大は、元全日本代表でスポーツキャスターの大林素子さんが客員教授を務めている。大学在学中に東京五輪を迎えることになるが、過去にも廣紀江(ひろのりえ)など、在学中に五輪に出場した選手はいた。その身体能力と、シニアでの経験を活かして活躍してほしい。

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