引退まで3ヵ月。木村沙織「ひとりでも多くの人に来てほしい」 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT


「今年の試合は今日で残念ながら終わってしまったんですけど、年明けからすぐ試合が始まります。今の自分たちは、いい順位にいるとはいえない(現時点で6位)ですし、自分たちのやりたいバレーが、試合の中でできていないところもある。全員がなんとか東レらしいバレーをしたいと思って毎日練習しているので、しっかり結果につなげたい。(公式戦は)あと3ヵ月あるかないかなので、自分としても悔いのないように頑張りたいと思います」

 メディアから「『自分は流されやすいので、リーグ開幕前に引退を発表しました』と言っていましたが、ここまで『流される』ことはありましたか?」と聞かれ、木村は笑顔で首を横に振った。

「ないですね。自分でも不思議なほど、ないです。残りの試合を、後悔がないように1試合1試合戦っていくだけですね。そして家族を含めて、ひとりでも多く、みなさんに試合を見に来てほしいです」

 一時は7位の入れ替え戦ラインをさまよっていた東レだが、何とか6位までには浮上した。6位以内に入れば、プレーオフに進出し、優勝を目指すこともできる。木村姉妹が2人でサーブレシーブを集中的にとって、攻撃枚数を増やすというフォーメーションで、年明けのリーグにもつなげていきたいところだ。

 木村沙織自身もシーズン当初の不調からは脱しつつある。チームが軌道に乗ってくれば、スパイク決定率など、数字も上がってくるだろう。本人が言うように集大成となるプレーをしっかり目に焼き付けたい。

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