石川、柳田だけじゃない。204cmの山内晶大がVリーグでデカい活躍 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  浦川一憲●写真 photo by Urakawa Ikken


 川村慎二監督もその活躍ぶりに目を細める。

「課題はまだ山積みですが、一戦一戦成長してくれていることは間違いない。いいところは攻撃も通るし、高いところから落ちてくるフローターサーブもいい。また、ブロックもキルブロック()も取ってくれるし、ワンタッチでボールに触る回数も増えてきている。まあ、まだ動きが素人っぽいところもあるんですが、伸びしろはいっぱいあるんで、このまま伸びていってほしいですね」
※両手を相手コートに突き出して、ボールを真下に落とすブロック

 山内はNEXT4の一員として2016年に石川祐希(中央大)や柳田将洋(サントリー)らとともにメディアとファンの注目を一気に浴びた。名古屋市出身の彼のバレー人生は少々異色で、中学生まではバスケットボール部で活動、高校入学後に顧問の先生に誘われてバレー部に変更した。大学は愛知県内の名門校のひとつである愛知学院大学に入学。ここで彼のバレー人生が変わる。

 2014年大学3年生の時に、シニア全日本に抜擢され、ワールドリーグを戦い、アジア大会銀メダルに貢献した。全日本に選出されるのは、V・プレミアリーグや関東大学1部リーグの所属選手がほとんどだけに、この抜擢は話題となった。この年は他にも2m級の若手ミドルブロッカーが呼ばれていたが、当時主将だった越川優は「僕は、この中で一番将来性があるのは、山内だと思う」と今の成長を見抜いていた。

 翌年のワールドカップでは「長身シンデレラ」という謎のキャッチコピーをつけられていたが、本人は「こんなでかいシンデレラ、いるわけないっすよ」とはにかみながらも、NEXT4と呼ばれることには、まんざらでもなさそうであった。カナダ戦では最も印象的だった選手が受賞するMIP賞を受賞。石川、柳田が圧倒的な活躍を見せる中でも、マイペースに自分をアピールしてきた。

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