木村沙織のラストイヤーが開幕。
試合後に語った「あと1年」への想い

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●撮影 photo by Urakawa Ikken

 髪型がボブに変わったが「特に何かを意識して変えたわけじゃないですよ」と笑っていた。リーグが始まる前に引退をブログで発表したことについては、「私は説得されると気持ちが揺らいでしまう方なので、このシーズンが終わって説得されてしまわないように、先に発表しました」と語る。

「日本の皆さんの前でプレーできて、すごく幸せに思います。できる限り会場に足を運んでいただいて、試合を見てほしいです」

 来年3月にリーグを終えたあとのことは「今は全然考えてない」という。だが、テレビ関係者に、カメラの回る前で「改めて引退をご報告させていただきます」と言ってほしいとリクエストされたが、「引退」という言葉は使わなかった。ブログの表現も、最後は東レアローズで終わりたいということは伝わったが、「今季で」という言葉はなかった。木村の心中にはまだいろいろな思いがあるのだろう。

「スーパー女子高生」として全日本にデビューしてから30歳の今まで、大きな怪我もなく、ほぼ毎年全日本の主力であり続けた。日本バレー史上初の4度目の五輪を経験したサオリンは、このシーズンにどんなプレーを見せてくれるだろうか。チームへの合流の遅れの影響が目立った初戦だったが、今後は調子を上げてくるだろう。木村沙織のラストシーズンから目が離せない。

■バレーボール 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る