木村沙織のラストイヤーが開幕。試合後に語った「あと1年」への想い (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●撮影 photo by Urakawa Ikken

 東レでの練習は開幕1ヵ月前まで休んだ。ロンドン五輪、リオ五輪を共に戦ったチームメイト、迫田さおりもやはり進退について悩んでおり、先に今シーズンもプレーすることを決めた迫田が木村に声をかけた。10月10日に自身のブログで「今年で50周年を迎えるVリーグ。ここを自分のバレーボール人生最後の場所にしたい」と記し、次の五輪は目指さないものの、木村もリーグを戦うことを明らかにした。

「リオ五輪が終わったときは、『終わった!』という気持ちでいっぱいで、今シーズンやることは全然考えていませんでした。ユニフォームをもう一度着ることにはとても勇気がいりました。

 菅野(幸一郎)さんがまた東レの監督として戻ってきて、そのもとでやりたいと思ったことと、リオ五輪は結果も満足いくものではなかったし、場所が遠く、治安などの関係もあって家族が見に来られなかったので。最後は、家族や日本のファンの皆さんの前でプレーしているところを見てもらって、それで終わりにしようと思いました。今シーズンは珍しく関東での試合が多いので、親も見に来やすくて嬉しいです。今は私と妹(美里)とふたりともコートに立たせてもらっているので、感謝を込めて一日一日を送りたい」

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