【バレー】90年代のカリスマ「ガイチ」は沈む全日本を立て直せるか (2ページ目)

  • 中西美雁●文・写真 text & photo by Nakanishi Mikari

 日本リーグ、Vリーグでは3度のMVPと敢闘賞を受賞。2004年に現役引退後は堺ブレイザーズの監督になり、2005-2006シーズンには8年ぶりの優勝に導いた。2009年から2年間はJOCスポーツ指導者海外研修員として渡米。2011年から全日本男子コーチに就任。ところが2012年、次期監督と目されながらも女性問題が発覚し、表舞台から姿を消していた。

 今春、Vリーグ堺ブレイザーズのGMとして3年ぶりにバレー界に復帰。そして、このたびの全日本男子監督就任の流れとなった。

「バレー界に大きな迷惑をおかけしたのにもかかわらず、こうして今、この場にいるのが不思議な気持ちがする」と本人も言っていたように、確かに不安な面もある。世界のバレーボールは日々アップデートしている。ロンドン五輪で銅メダルを獲った全日本女子の眞鍋政義監督ですら、その流れに置いていかれ、この夏、世界との差を痛感することとなった。そうしたなかで、3年間のブランクは小さくない。

 バレーを離れていた3年間、中垣内は新日鐵住金の営業マンとして過ごしていた。「バレーの中垣内さんの親戚ですか?」と聞かれれば「そうです」ととぼけた返事をして、バレーのことは一切口に出さず、ゼネコンに鉄を建築資材として売る日々を続けたという。

「バレー界にいたときに高慢だったところが、少しだけよくなったかもしれない。今思えば、(バレー界にいた頃は)『俺が何とかしてやる』と思っているところがあった。営業マンとして培ったものは、人間対人間の信頼関係が大事だということ」

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