Bリーグ発足に危機感?バレーボール新リーグ構想に勝算はあるか (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  photo by Kyodo News


「体育館の確保などから、来年の秋から始めるということは不可能。そして、東京五輪の前年は、五輪のためにリーグがイレギュラーな形になることが予想される。でも東京五輪以降では遅すぎる。だから今、そして18年秋からしかないのです」。

 新リーグはバレーボールを事業主体とする独立した運営母体が必須となるが、企業名を入れることも、選手が社員のままでいることも可能だ。「摩擦を避けるため、できるだけフレキシブルな対応にした」。

 なぜ独立した運営母体にこだわるのか。これはこの秋から開幕したバスケットボールのBリーグが、ホームゲームの8割を地元開催することを条件付けているため、体育館の確保の面で考慮したという。Bリーグのチームが自前のホームアリーナを持つなら別だが、基本的には各自治体などの体育館を借りることになる。秋から春と、Ⅴリーグと興行シーズンが重なり、観客も体育館も競合することになる。自治体が体育館を貸すときに、一企業に貸すか、地域スポーツクラブに貸すか、どちらを優先するかを考えた。

 アジア枠を増やしたのは試合の質を上げることに加えて、マーケティングの意味合いもある。アジアの選手を入れれば、日本以外の国でも試合を視聴してもらえるだろう。スポンサーにもアピールができる。

 昨季、プロ契約のクリスチアンソン・アンディッシュ監督のもとで初優勝を成し遂げた豊田合成の高松卓矢選手は、「変化を求めるのは良いことだと思う。良くないのは何も変わらないこと。 ただ、いたずらに変化を求めるだけじゃなく、そこにしっかりとしたコンセプトがあれば、必ず良い方向に向かうはず」とツイート。ファンから多くの「いいね」がつけられた。

 海外移籍経験のある元プロ契約選手で、現在ビーチバレー代表の島田桃大選手は熱を込めて、こう語る。

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