竹下佳江が見た全日本女子「木村沙織にすべてを背負わせてしまった」 (2ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

―― 選手はみんな「練習は地獄だった」と振り返っていましたが、最後に「この人についてきてよかった」と言えるのはすごいことですよね。

「すごいと思います。感動しました。ふだんは関西ノリの明るくて気さくな方なんですが、本気になったときはすごいパワーを発揮される方です。オリンピックを見て、またファンになっちゃいました」

―― 競技は違いますが、理想とする監督のひとりでしょうか。

「あの指導の厳しさは、いまのバレー界にはちょっとマッチしないのかなと思いますけど、人としてすごく魅力的だと、あらためて思いました。ハードな練習に先生もずっと付き合っているわけじゃないですか。人生をかけて教えているのはすごいなと思います。今の私の場合は子どもが小さくて、そういうやり方はできないので、うまくバランスを取っていく方法を模索しないといけないなと思っています」

―― 7月10日に天皇杯・皇后杯全日本選手権の兵庫県ラウンドで、初めて公式戦で指揮を執られました。惜しくも初戦敗退となりましたが、初めての監督はいかがでしたか。

「練習もそんなに満足にできていない状況だったので、指揮を執るというよりも、選手がケガをせずに乗り切ってくれたらいいなという思いと、バレーボールはつないでいくスポーツなので、やはり甘くないなというふうに感じましたね」

―― メンバーには大学生もかなり入っていたんですよね。手探りかもしれませんが、指揮を執ったことで、「今後こうしていきたい」と、あらためて思ったことはありましたか。

「いろんなことを整えないといけないと、あらためて痛感しました。コーチも選手もフロントも、すべて整えないといけない。ただ、ここでベースを作ることによって、この先、明るい未来が待っていると思いますし、そこにつなげられたらなという思いはありますね」

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